会長挨拶

会長就任にあたって

東京都学校教育相談研究会会長 小泉 一弘


 令和6年度より、東京都学校教育相談研究会第29代会長を務めることとなりました。世田谷区立多聞小学校  校長 小泉一弘です。前任の本杉貴保会長をはじめ、歴代の会長を中心とした本研究会のこれまでの取組は、教育現場における子供たちへの指導・支援の充実に寄与するだけでなく、多くの先生方の教育活動に向ける熱意を喚起してきたものでもあると認識しています。その伝統を引き継ぎ、さらに発展させていけるよう尽力する所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、子供たちを取り巻く環境は日々変化し、学校が対応するべき内容の多様性・複雑性は一層増すばかりです。そのような中、令和4年の生徒指導提要の改訂においては、「生徒指導と教育相談が一体となったチーム支援」がポイントの1つとして挙げられました。以前から、「学校教育相談の守備範囲(役割)は広く、対応するべき問題、追究するべき課題は多岐に及ぶ。」などと言われることはありましたが、改めてその重要性が認識されてきたのではないかととらえています。子供たち一人一人の特性やその子供たちが置かれた状況を的確に把握し、全ての子供たちの健全育成に向けた組織的な実践をリードしていくために、教育現場において本研究会が果たすべき役割は小さくないと考えます。また、子供に対する直接的な指導・支援だけでなく、保護者への対応や心理・医療等の専門機関との連携の在り方などについて探究し続けることも、本研究会が担う重要な使命だと言えるのではないかと考えています。
 本研究会の大きな特色の一つであり、ストロングポイントでもあると言えるのが、幼稚園・こども園、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の全ての校種の教員が所属しているということです。校種の違う教員が日々直面している課題は異なるものかもしれませんが、それぞれの教員が集うことにより、より多面的・多角的に物事をとらえ、検討することができるというメリットがあります。これは、それぞれの立場から一つの事例に対する見方や課題解決に向けた意見を交換できるというだけでなく、広く教育現場を見渡し、現在の課題をとらえ、課題に合った研究・研修を企画することができるということにもつながります。今年度も、総会に伴う特別講演、夏期研究大会における記念講演と各講座、校種別研究会等の事業を企画・運営してまいります。ぜひ、多くの方に関心をもっていただき、参加していただければ幸いです。おわりに、本研究会が主催する事業について多大なご理解とご協力をいただいております東京都教育委員会並びに各区市町村教育委員会の皆様に心より感謝申し上げます。本研究会は、全ての園・学校が、幼児・児童・生徒にとっての安心できる居場所となることを目指して、今後も研究・研修の充実を図っていきます。引き続きご指導、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
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